秋の夜長のピュアなエモ

これまでこのコロナ禍に対して唯一感謝したことといえば、いつ乗っても電車が空いていることぐらいだったのだけれど、ここ1週間でその意識が少し変わった。

涼しくなってきた秋の夜長の公園やちょっとした広場で、その暗闇に紛れて人々が語り合っている姿というのはちょっとあまりにもエモいものがある。

大学のキャンパス内だと飲酒も喫煙もできないからなのか、路上飲みから邪悪さだけを削ぎ落とした、非常にピュアなエモみのようなものが感じられる。これは「密」の回避という目的がなかったらなかなか達成されなかったことだろうし、しかも一時期は路上飲みに対する社会的な反動でこういうのは少なくなっていた。まあ大学内の場合は学祭の準備があるから例年こんな感じだと言われればそれもそうなんだけど、(物語が消費できなくなったと言ったそばから掌を返すと)ドラマのワンシーンを見ているような感じすらある。コロナ禍にベンチで語り合っている人々の風景だけを集めた写真集があったら買いたいぐらい。

YOKAZEでも聴けばいいだろうか。