ワイヤレスHDMIのススメ

講義室のHDMI端子がやけに遠いところにあったり、あるいは備え付けのケーブルがやけに短かったりする。ラップトップを持ってゼミ生の席を回ったり、実習で学生さん達と同じ席に座ってコードを書いたりする身としては、教卓の周辺に縛られるのはあまり好ましくない。ということで前々から興味のあったワイヤレスHDMIアダプタを導入してみた。

第三世代 5G WiFi ワイヤレス HDMI 変換 アダプター 【 設定不要】 P2P Cast 無線 送受信機 高転送 【自宅WiFiなし使用可能】 ミラーリング レシーバー Miracast / Airplay 適用性あり iPhone iPad Android Windows 1080P 2K ライトニング HDMI 接続ケーブル iOS12、13、14 、15 対応 YouTube TV 出力

はっきりいって商品名などはかなり胡散臭い。ワイヤレスHDMIとは言ったが、その機能は簡単にいうとHDMI入力経由でAirPlayやMiracastを実現するためのWi-Fiレシーバーである。

とはいえ、設定不要を謳っているだけあって、本当に設定はほぼ不要。

準備としてはHDMI入力にこいつを突き刺し、あとは一般的なLightningケーブルなどと同様に電源供給のためのケーブル(USB-A端子)を充電ポートにでも繋ぎ、あとは画面ソースをHDMI入力にしておく。すると、電源供給がされた時点でデバイスの起動処理が始まる(初回だけはなぜか数分かかった印象)。5秒ほどで立ち上がり、以下の画面が表示されたら準備は完了。

接続時には、一般的なAirPlayと同様に無線LANをオンにしておく。

あとはAirPlayの接続先として、画面に表示されているP2PCast-<DEVICE_ID>をiPhoneなりMacなりで選択する。これが表示されていなかったら何かがおかしい。一番現実的なのは、たとえばWi-Fiがオンになっていないとか。

そして、商品名にも「自宅WiFiなし使用可能」笑笑と書いてある通り、Wi-Fiデバイスはあくまでオンになっているだけでいいので、Wi-Fi環境のない場所でも接続・使用できる。これはなかなかいいですね。

(DEVICE_IDを隠すのが面倒になった。別にいいよもう。)

それだけで完了。初回はPINコードの入力が求められるが、それは画面にも表示されている通り1234を打ち込めばいい(Macの方はもう設定を完了してしまってPINコードの入力画面が出てこないので、以下にiOSでの表示を貼っておく)。

これで入力が終われば、ミラーリングなり個別ディスプレイとしての使用なり即座にAirPlayが開始される。レスポンスも割とスムーズな印象で、遅延も(もちろんないわけではないが)授業で使うぐらいなら許容範囲内だと感じる。かなり手軽。

個人的にはPINコードは乱数にして本体にシールで貼っといてくれるぐらいがありがたいのだけれど。本当にシンプルなAirPlayなので、初期画面に表示させられっぱなしだと講義室の画面をジャックされるリスクがある。まあ安物だから仕方ない。この価格でこれだけの利便性があるんだから、ちゃんとしたものを買えばよりちゃんと使えるだろうし。

注意点1:Wi-Fiネットワークには先に接続しておく

これはこの製品に限ったことではないんだけど、もしAirPlayで使用したいWi-Fiデバイスとインターネット接続に使用したいネットワークデバイスが同一の場合(多くの場合に端末にWi-Fiデバイスは一つしか載っていないんで同一だろうと思う。例外として一般に考えられるものとしては、ネットワークには有線で接続している場合など)には注意点がある。それは、先にネットワークに接続してからAirPlayを開始しなければならないということ。

これは当たり前といえば当たり前なのだけれど、AirPlayは映像のやり取りのためにWi-Fiデバイスを占有するので、先にAirPlayを開始してしまうとそこから改めてWi-Fiネットワークに接続することはできなくなる。現に先にアダプタに接続してしまうと、

この形(Wi-Fi: AirPlay)の表示でWi-Fiデバイスが占有され、Wi-Fiネットワークの探索すら行われなく(仮に行われているとしても表示は一切されなく)なる。したがって、先にWi-Fi接続を完了してからAirPlayを行う必要がある。

注意点2:接続はたまに途切れる

頻繁にとは言わないけど、たまに接続が切れるなという印象。気づいたら最初のPINコードの画面に戻ってたりする。

これはWi-Fiが不安定だとかいう要因があれば当然だけど、どちらかというと(というか普通に)アダプタの安定性の問題のような気がする。スリープになったら当たり前に切断されるし、そうでなくとも少しの間操作しないとか、あるいはもう単純に何かの拍子に切断されることもたまにある。もちろんボタン一つで再接続できるので今のところ大して困ってはいないけど、たとえばHDMIの入力を受け付ける先のデバイス(大学のAV卓など)の中で映像をレコーディングしてるとかだと少し面倒かもしれない。とはいえ途切れているのはこのワイヤレスHDMIアダプタとMacBookの間の接続のようなので、その間もアダプタから出力先にHDMIの映像出力は出続けているっぽい。なので、HDMIの接続や出力をトリガーに録画するようなシステムでも一応問題はないのではないかとは思う。僕もまだ十分に検証できていないので保証も断言もできないけど。

まあそんな感じです。ミラーリングのためだけにAppleTVを買うことを思えば十分にいい買い物だったと思っています。もう少し見極めたのち、自宅リビングにも導入するつもりです。