耳管開放症大戦2023

中学の頃から患っていた耳管開放症、当時はどんなに忙しくても鼻からルゴールを噴霧しなければいけない最悪の水曜日が10年近く続いたわけだけど、それがいつの間にか20歳前後でなんとなくおさまっていた。ただし気圧が影響するタイミング(飛行機や高層エレベーター等)では耳が吹っ飛ぶ(特に着陸時の耳管狭窄による痛みがひどい)のと、夏場なんかはよく出るなとは思っていた。

その耳管開放症が32歳にして、8月頭ぐらいからまた急激に悪化してきた。僕は仕事上、大学で前に立って授業しなければいけないというのに、もはやまっすぐ前を向いて立っていることすらもつらい時がある。むかつくのでちょっとまとめ直しつつ、研究者として実験してみる。

耳管開放症の代表的な症状

  • 自己発音強化:自分の声と呼吸音が異様に大きく感じ、耳の中で大音量で響く。
  • 呼吸に従って鼓膜が凹凸にベコベコと動く。
  • 呼吸が中耳に流れ込む感じがする。
  • 下を向く or 横になることによって(症状の程度によっては)一時的に解消される。

これが代表的な症状といわれる。ちなみにかなり一時的な対処法として、首をキュッと締めると頭の血圧が上がって耳管が閉まるという話もあるんだけど、僕は成功した試しがない。あとこれやると単純に体調が悪くなるし、酸欠で脳細胞が死ぬと研究ができなくなって困る。

僕の場合耳管開放症は高校時代からずっと痩せすぎが原因だと言われ続けてきた。ただ、ここ3ヶ月ほどで気づいたんだけど、20歳以降においては基本的に体重が増えたときに発症しているような気がしてきた。そもそも指定難病167ことマルファン症候群なんだから体重なんて大して増えないし、循環器の先生からも「無理して体重を増やそうとすると別の問題が出るかもしれないから気をつけて」と言われてきた。

現に、生まれてから2022年半ばまではどう頑張っても体重が50kgに達することはなかったわけだけど、8月あたりは研究の進捗の関係で心理的に激しい負荷がかかっており、体調を崩さないよう馬鹿みたいに飯を食っていた。そして9月はそのままドバイに旅立って、海外はストレスがかかるので現地でもかなり頑張って食っていた。その結果、ドバイから帰ってきたら生まれて初めて体重が51kgになっていた上に、もう10年ぐらい同じものを買い続けているはずのユニクロのカラージーンズ(ウェスト71cm、しかもベルトがないと履けないはず)が若干キツくなっており、生まれて初めて73cmに買い替えた。(参考:厚労省の統計データでは、ウエスト71cmは男性だと10代後半の平均値ぐらい。メタボ基準は男性85cm以上)

つまりこれが仇になっているのではないかという気がしてきた(マルファンでも30越えたらちょっとぐらい体重は増えるってことなんだろうか?)。思えば妊婦さんは急激な体重増加で耳管開放症を発症しやすいという話もあるし、これはもしかしたら実験する価値があるかもしれないと思い始め、10月半ばから食事を1日2食に減らした(普段は1日4食)。

体重の推移としては、これまで数年来47-48kg、実験開始時点の2022年10月半ばに51 kgだった。2022年10月25日現在で体重は49.8kgぐらい。身長は185cmなのでBMIでは14.5程度。もちろん未だひどい低体重ではあるものの、耳管開放の頻度は1/4程度まで減った。もちろん、これが体重の減少のみによるものとは評価できない。研究の負担が一時的に落ち着いているからかもしれないし、夏が終わりかけているからかもしれない。ただ、対照実験ができない以上、被験者内実験として僕の中で体重の増減を繰り返しながら実験していくしかない。

なおかつ、仮に僕にとって耳管開放症の上限が50kgなのだとすれば、では今度下限はどうなるのかという話になってくる。僕は20代で心臓を壊して入院した頃には体重が32キロまで落ちた。当時のBMIは9.45で、これは完全なる外れ値(もはや異常値に近い)だったんだけど、実は当時耳管開放症はほとんど出ていない。もちろん1日の9割は横になっていたので、実は出ていたのではないかといわれればそうかもしれないとしか言いようはないけど。

もうちょっと実験を続ける。人体実験とは、自分が被験者である限りは勝手に実施できる不思議な実験方法である。