ReadCubeの話

ReadCubeの話

ReadCubeがPapersと統合された関係で、新しいDesktop Appや新しいWeb Appの整備がここ半年以上続いている。おそらくD3の頃からかれこれ3年近く有料ユーザで、ライブラリもそれなりに厚くなってきた。
多くの人たちにとっては新しいアプリの公開が長引こうが(Papersユーザ側は知らないけど)、基本的にはこれまでのReadCube(いわゆるLegacy App)を使い続けていればいいんですけど。僕の場合は転職の関係で前職の経費で買った古いMacを置いてきたり、新しい職場もまた新しいMacを買ったりして、心機一転環境を組みなおしたのでReadCubeのLegacy Appが手元にないんですよ。

オフィシャルサイトには公開されていないのだが、実はサーバにはまだ残っている。憎しみを込めて直リンを貼る。
https://download.readcube.com/desktop/2.1.0/ReadCubeSetup.zip

これはReadCubeをhomebrewからインストールする方法

$ brew cask install readcube

を試すと
==> Satisfying dependencies
==> Downloading https://download.readcube.com/desktop/2.1.0/ReadCubeSetup.zip
######################################################################## 100.0%
==> Verifying SHA-256 checksum for Cask ‘readcube’.
==> Installing Cask readcube
To complete the installation of Cask readcube, you must also
run the installer at:
‘/usr/local/Caskroom/readcube/2.1.0/Install ReadCube.app’
🍺 readcube was successfully installed!
が出てくる。別にcaskからインストールしてもいいのだがモノが見つけられたので該当するURLからインストーラーのzipを引っ張ってくればあとは手動でインストールしてもちゃんと動く。

ちなみに下手に他のMacからReadCube.appのファイルだけ引っ張ってくると下のようなことになる。

悲しみである。

ReadCube PapersのDesktop Appは6月からクローズドベータに入るようで、順次invitationを送ってくるらしい。使い勝手が気に入らなかったらいよいよEndNoteに移る時かなあという気もしている。何しろLegacy Appでは日本語PDFが(おそらくエンコードの問題だとは思うんだけど)ほとんど表示できない場合があるから。

悲しみである。

一時期怒りすぎてZoteroに移るというのも考えたのだけれど、いざ登録した上でReadCubeのSyncフォルダからPDFを放り込んだらメタデータがほとんどなく一からライブラリの構築をし直すことになりそうだったので断念した。メタデータの入ったXMLがファイルとして存在していればLibrary importerみたいなものを使ってうまく移行できるんだろうけど、クラウドベースのReadCubeではそれがローカルに与えられない。appパッケージの中身までは見てないけどたぶんないんじゃないのかね。
そして、言ってもReadCubeのレコメンドは悪くない。適当に眺めて面白そうなものはさっと取ってこられる(機関Proxyが使えるところならさらにラク)ので、ラベルでカテゴリ分けした上で特定カテゴリに類似した論文だけをレコメンドさせたりすると、暇つぶしのネタ探しには使える。

こういう論文管理系のおすすめ記事なんかを読んでいると「論文管理の手間がいらなくなった!」みたいな別にどのソフトウェアを使っても同じ部分で歓喜している記事が多い。たぶん院生で初めて論文管理が必要になった人たちがブログにしてるからだろうけど、サービス間の比較をしているものが少ない。

まだ当分ReadCubeから抜けられないような気がする。