音楽市場

K-POPからHip-Hopを眺める話

退院して1週間半、いろいろなことを理由にゼミなど最低限の仕事だけを済ませて残りは大学時代よりも堕落した生活をしていた。念のために書いておくと、大学、特にゼミは教員の属人性に強く依存しているところがあり代替性が低いことから、一ヶ月でいいから休職しろと言われていたのを押し切ってそれだけはこなしている。脳みそが腐り落ちてきたのでそろそろ動き始める。

ワクチンを打ったらまずは韓国に行きたい。基礎疾患を理由に優先接種を受けて(HPを見ると僕は基礎疾患に該当するものが驚くほど多い)それでさっさと海外旅行なんか行ったらそれはさすがにモラルとしてどうなのかという話なのでしばらくは行けないだろうけど。それでも、もし行けるとしたら韓国でK-POPや韓国音楽市場のルーツを巡る旅みたいなのがやりたい。ローカルのクラブにも行って若いラッパーのライブなんかも観たい。

というのも、近年のBTSやBLACKPINKの活動を見ていると、どうしてこうも日本の音楽市場やアイドルとは違うのだろうという疑問が拭えなくなってきたので、もう現地まで検証しに行きたい。

もともと韓国音楽はそのサウンドにトラップを本格的に取り入れ始めたあたり(2015年ぐらい?)から好きになり、そこから現地のHip-Hop/R&Bを掘り始めてgeorge(죠지)のboatで決定的に好きになった。

日本のプロデュースワークは(というより料理もファッションも文化も何もかもにおいてそうなんだけど)、いい意味で本家をローカライズするのが上手いし、トラップにせよチャート音楽に乗る時には全く同じそれではなくちゃんとJ-POPになる。それはそれでいいのだけれど、今の時代はどちらかというと誰がやってもいいから本家本元Originalの良作が評価されやすい潮流にあるように(あくまで感覚的なものに過ぎないけれど)思う。だからこそ日本のkawaii(あるいはある種のhentai)ミュージックもそれはそれで大きく評価されているわけだけれど、それも最近はveporwaveを汲んだ流れの方が若干強くなってきているような気もする。

K-POPの音楽チャートは実は毎週チェックしていて、先日も韓国のラッパーB.I(비아이)がアメリカのDestiny Rogers、Tyla YawehとやったGot It Like Thatを聴いて喰らいまくった。

そもそもKehlaniのAll Me (feat. Keyshia Cole)RPG (feat. 6lack)みたいな空気感が大好きなのでDestiny RogersのポップなHookだけでもまず満点なのだけれど、そこに乗っかったB.Iのラップは英語と韓国語の織り混ぜ方が本当に自然だし、シンプルながら綺麗にまとまっていてすごく聴きやすい。

(オートチューンを使うかどうかに関わらず)音程をつけてラップするとどうしても陥りがちな点として、曲作りの中でラップのメロがあまりにも上下しまくる場合がある。しかし、(ちゃんとした、という表現が正しいかはわからないけれど)メロディメーカーではない人が下手に動きの激しいメロをつけると結果的に中学生が考えた童謡みたいな、あるいはある種のレゲエっぽいメロディになってしまうことが多々ある。全体の雰囲気もポップになりすぎる。Post MaloneとかRUSSぐらい綺麗に収められるならいいんだけど。

このB.Iのラップでもそうだけど、メロはあくまで脚韻に合わせて少し上に上がるぐらいで十分なんだと思う。日本だとKEIJUのTearsあたりは一部もっとメロの動きが少ない。

僕も15年ぐらいヒップホップを聴き続ける間にいつの間にか馬鹿みたいにトラップ好きになってしまったけれど、このジャンルはすぐ廃れるとわざわざ言ってくる人が未だにいる。しかし、このジャンルが出てきてもう何年経ったのかということはよく考えなければならない。逆にHip-Hopという音楽の多様性を十分に理解できないままTRAPを知ってしまうとそういうことになるのではないかとすら思う。彼ら彼女らの中で、たとえば昔の”あの汚いサウスの音楽” や、あるいはみんな大好きNujabesが、同じオールドスクールなboombap Hip-Hopに分類されているのかはいつも疑問に思う。言い方は良くないけれど、自分の好きなものだけをヒップホップと呼んでいるように見えてしまう時がある。まあそれは思想の強い文化においてはどこもそうなのかもしれないけど。

そして個人的には、”Hip-Hop”という言葉自体の古臭さというか、ある種の駄洒落感というか、(日本でいうところの日本語ラップ村のような)文化としての縛りの強さみたいなもの、そういうのがDrillといった言葉を生み出しているように思えてならないのだけれど。

…本当に馬鹿みたいに1日中音楽の話ばっかしてたい。昔某所から「ヒップホップについての授業をやってもらいたい」という依頼が来たのだけれど、それも色々なゴタゴタの中で中止になってしまったのが悲しい。