音響・スタジオ設計など

防音ブースOTODASUを買った話: カスタマイズまで

話の始まりは2020年の年末ぐらいにふとインスタの広告で防音室OTODASUを見かけたこと。そこまでにYAMAHAの防音室アビテックスの設置相談に行って我が家には設置が難しい(部屋の構造上、防音室用のエアコンを配置できる場所がない)ことがわかったり、もっと手軽な防音ブース 宮地楽器VERY-Q HQP960の納品が3ヶ月待ちだったりと割と散々な状況だったので、深夜の勢いも相まってその場ですぐ買ってしまった。VERY-Qの売り切れも結局はリモートワーク需要だっていう話で、OTODASUもものの2週間で全品SOLDOUTになった。

*先にいっておくと、途中から正規の組み立て方とは全く違う形でカスタマイズしていますが、当然自己責任のもとに実施しています。そしてこれを読み進めて、この内容に一部でも倣って使用されて何かが起きたとしても私は責任を負うことはできません。

ただ、アビテックスを辞めた最大の理由は実はエアコンがつけられないことではなく、実際に試聴したところ調音パネルでうまく設計された結果、グランドピアノなんかで自然な響きが担保されるように最適化されていたためでもある。つまり反響がそれなりにある。100万出してボーカルが綺麗に録れなかったら流石に精神的につらくなってしまうので。

1 OTODASUが配送される

2021/01/19 18:30、マンションのチャイムが鳴り西濃運輸のお兄さんが持ってきてくれた。当初メーカーからは「マンション1階までのお運びとなります」という連絡が来ていたので、追加料金を払ってでも玄関まで運んでもらえたら助かるなーなんて思っていた。お兄さんは大変良い方で、こちらから頼まなくても上まで持っていってくれると言ってくれたのだが、数分後に衝撃の言葉が発される。

「これエレベーター入んないっすね」

その一言により、お兄さんは荷物を置いて去っていった。

梱包の高さは197cmぐらい

そこからマンション1階のエントランスで一人、仕事から帰宅する他の住人の冷たすぎる表情を横目に段ボールを全て開梱してパネルを一つずつ上まで運びゴミを片付けるまででちょうど2時間かかった。

玄関が埋まった

2 設置

根本的な誤算として、そこまでにいろんな防音ブースを検討していたというのもあり、単純にサイズをよく見ないままに注文していた。外寸95cm四方だと思っていたら125cm四方だった。でけえよ。置けねえし。125 x 125 x 195なんて(組み立て前とはいえ)エレベーター乗るわけないわな。

基本的には、壁となる各パネルの隅を折り曲げ、その折り曲げた端に空いている四角形の穴に専用の部品を通して固定していく。その繰り返しなので作業自体は基本的にはかなり簡単だった。最初折り曲げるのに少し力がいるぐらいで、それも俺ができるんだからたぶん一般的には女性でもできると言われる程度だろうと思う(ただ、力はないものの身長がそれなりに高いというのは作業がしやすいポイントだったかもしれない)。

表から
裏から

ただ、作業が簡単なだけに説明書は結構な雑さで、というか、笑ってしまうぐらい組み立て図の画質が悪い。ネットからスクショした図をグレースケールで3回コピー機に通したような感じ。

基本的には「4枚の壁の組み立て」「床の設置」「天井の設置」の順に行うんだけど、天井の作業のところで先に天井を嵌め込んでから上のパーツでロックして、その上で四隅の「コーナーパーツ」で補強するって書いてあるんだけど、構造上どう見ても逆だと思う。

まず天井をはめ込んでロックする。
ここからコーナーパーツをはめ込めるとはちょっと思えないが…パーツの幅も狭すぎるし…

結局物理的に無理な気がしたので一旦天井を剥がし、コーナーパーツを設置してから天井を付け直した。コーナーパーツは天井部分を支える土台みたいになっているので、これを後付けするのはちょっと無理があるような気がする。俺が不器用なだけかもしれないけど。

これをはめて、内側から見ると…

いや隙間すごくない????

たかが15万の簡易防音室に期待しすぎてはいけないけど、この辺で急激に嫌な予感がしてきた。最初の折り曲げ方が甘いと隙間がひどくなるようなので、組み立てる時にちゃんとパネルの端を折り曲げよう。限界まで曲げても(うちのは)折れたりはしなかった。

3 カスタマイズ

ここまで出来たら本来は付属の吸音材を貼ることになっているんだけど、吸音材はもう壁の横幅ぴっっったりに作られているので、何か仕込みをしようと思ったら吸音材を貼る前に作業しなければいけない。

とりあえず100円ショップでテープ類などを仕入れる。

ここで特に重要になるのはなるべく肉厚な隙間テープ。そして簡易的なクランプとして使えそうなフックも試しに買ってみた。

とりあえずさっきの隙間に両面テープを仕込んだ上で外側からクランプで締め込む。厳密にはクランプではないが。

そして隙間テープを押し込む。

とにかく隙間になりそうな四隅を中心に隙間テープを張り巡らせていく。綺麗に使いたい人には全くといっていいほどお勧めできないが、こんなもんはどうせすぐにクラブのバックステージぐらいグラフィティだらけになるのでどうでもいい。

そして正規の吸音材を貼る。

吸音材はあらかじめ裏に両面テープが縦に3本入っているが、正直縦に3本では隙間部分がガバガバになって嫌なので、もう少し増やすことをお勧めする。

この時点でブースの中は…

外寸125もあるので中は吸音材を貼っても結構広い。まあ根本的に壁材が薄いというのもあるのだが。そして正規の吸音材と壁の間に、自分で買ってきたウレタンの吸音材を押し込んで両面テープで貼り付ける。

これは以前部屋の壁に貼った吸音材の余り。こういうある程度密閉された空間ではノイズが部屋の角に溜まりやすいので、こういうところは重点的に潰しておいた方がいい。

ここまでやると見た目にも割とそれっぽくなるのでおすすめ。マイクスタンドはGRAVITY。安定していてとてもよい。

ちなみに外から見ると…

中央のなんかでかいのがそれ。普通に2/3ぐらいのサイズでよかった。

いわゆるYouTuberとかがよく使ってる自宅用サウナぐらいある。正直外周をセメントで固めたい。

音の鳴りについて

吸音材貼るまでは本当に心配になるぐらい短い残響が割と強く残ったのだけれど、吸音材を追加で張り巡らせたこともあり響きはかなりコントロールできた。防音性能としては、まあ正直今の段階ではまだ気休めぐらいでしかない。文字通りの簡易防音室。

今後のカスタマイズ

こいつにはまだまだ気になるところが多く、その最大手になるのが、

扉の下、めちゃくちゃ隙間空いてる。

アメリカのスーパーのトイレぐらい隙間空いてる。そんなにはないか。

いずれにせよこれをなんとかして潰す。隙間テープか防音マットのどちらかで潰す。買う前にどっか書いてあったのかなあ。書いてあったら買ってなかったかもしれないな。説明動画にはあったのかもなあ。

そして扉がペラペラすぎるのでこれをもっと重くして、今のマジックテープで閉まる機構ではなく磁石にしつつ、閉めたときの隙間が減るように周囲を補強する。

ちなみに他の壁も天井も内部は全部この扉と同じ材質のものが入っている。何かプラスチック的なもので中に空気の層を作ることで遮音しているように見える。

そして換気できるようになっている関係で天井がかなり薄く、ここから音が入ってきている感じがする。ということで天井含め外周に防音シートを貼る。貼り散らかす。おそらく大建工業の遮音用下地シートにすると思う。その上から改めて壁紙を貼る。見た目が気に入らないので。たぶん本体の上から毛布かなんか敷く。換気できるとはいえボーカルブースとして使うだけならそう長時間そこに篭るとは考えにくいので、どちらかというと密閉性の方が大事になってくる。まあ本当は外周をセメントで固めたいぐらいなんだけど。

上に毛布を敷くとすれば室内は当然真っ暗になるので、簡易LEDライトとかを内部に貼って対応する。たぶん。あとiPadをマウントできる何かしらを買ってAirplayでMacの画面を見れるようにする。

まあもう少し諸々改良します。そして気が向いたらこれが邪魔にならないぐらい広い家に引っ越します。

そして今年はまた先輩がアルバムを出したので、リリースツアーの名古屋場所は僕が担当させてもらうことになりそうです。その頃には色々とマシになっているといいなあ。