生活

いろんなおっさん

いろんなおっさん

イオンのトイレでは、スーツを着込んでやたらでかい厳重なマスクをしたおっさんが用を足したあと手を洗わずに出ていき、そのままエレベーターのボタンを押して咳払いしながら偉そうに乗り込んでいった。衛生意識があるのかないのかはっきりしてほしいし、手をちょろっと濡らしただけで自分洗いましたけどみたいな顔をする人も本当になんとかしてほしい。

新幹線ではおっさんが靴を脱いで足の指の間をほじくったり掻きむしったりしながらビールを飲んで、誰に言うでもなく「あ゛ーーーハーゲンダッツ食べよ」とか言って車内販売の女性を呼び止める。セクハラみたいな全然面白くない冗談を言いながらハーゲンダッツを買い、それが少し溶けて食べやすくなった頃には大いびきをかいて寝ていた。疲れているのかもしれないが、残念ながら全部間違っている。

別のおっさんは大層な仕事の電話を済ませたと思えばそのまま道端でタバコを一本吸い、それを側溝に投げ捨てて上から痰を吐いた。そんなことをしていても職場ではやり手なんだろうなと思うとなんともいえない気持ちになる。

さらに別のおっさんは、さっきまで飲み屋で楽しく後輩に説教していたと思ったら、お酒の注文を取りにきた大学生のバイトを急激に詰めまくりながら「こういう奴は仕事ができない」「こっちは客だぞ」などと言い始める。この先どれだけの月日が経っても、大学生ばかりの安居酒屋で学生バイトに説教するようなおっさんには絶対ならないと心に誓った。

俺がつり革もドアノブもエレベーターのボタンも触れないのは昔からこういう奴らを見てきたせいだと思う。しかし、他人のセクハラやパワハラをその場で止めもせずに後からブログに書いている俺ももしかしたら同罪なのかもしれない。だが俺だって酔っ払ったおっさんは怖い。夜中に道端で酒飲んでる大学生ぐらい怖い。本当に申し訳ないけど何もできなかった。

そんなことを思いながら研究関連のZoom会議に出ていたところ、参加者のおじさんがマイクに口を近づけた状態で思いっきり咳をしてくれたので耳が死んだ。そして彼はその研究会を通して最初から最後まで、その咳以外に一切発言することはなかった。

そんなふうにビシッとした服装でオーディエンス全員の耳元に咳をお見舞いするぐらいなら、服はパジャマでいいからミュートを覚えてくれよ。ITリテラシーとはExcelでセルの結合ができることではないのだよ。

おっさんおっさん言っているが、俺も30前になって自分より下の人間に色々と小言を言わなければいけない立場になってきた。こんな身なりで何を言う資格があるのか全く不明だが。全てとは言わないが、小言の一部については口うるさいおっさんも使命感で言っていたのだということがここ1年ぐらいで少しずつ理解できるようになってきた。