ジーンズ黒染め、黒スキニー煮込み

東京にRyoji Ikedaのライブを観に行ったついでに(そのレポートは非常に長大なためまた考える)、渋谷パルコのBLVCK PARISでBLVCKモノグラムのTシャツを14,000円で買った。これを着ているときだけ複数人から褒められたので、これは本当にかっこいいんだと思う。

とはいえ下がユニクロのジーンズじゃなあと思っていたところ、数年前に店員から押し売りされて以来仕方なく履いていたG-Star RAWの黒スキニー(D-STAQ 3D SLIM, 2万ぐらいだったような気がする)があったことを思い出す。ずいぶん色落ちしてみっともない色になっていたけど、まともなのがこれしかないので黒染めして復活させることに。

現状は↓の状態。きったねえ。統計学の授業とかでチョークまみれになっている身なので、新しいジーンズでも結構早々にこんな感じになる。その度に買い替えていてはキリがないので染めたい。

だいぶみっともない”お色目”である

使うのはもちろんダイロンで、中でも今回はダイロンマルチ(ダイロンマルチ col.08: エボニーブラック)を使ってみることに。いろいろな素材に使えるっぽいので、もし染液が余ったらなんらかの方法で再加熱してTシャツでも染めてみようかなと思っていた。

こういうのは東急ハンズで買うに限るのだが、色止めのためのカラーストップ含め軒並み売り切れになっていたので仕方なくAmazonで購入。黒は倍量使えとのことだったのだが、元の分量(1袋で250g)の感覚がよくわからないので3袋を濃いめの染液にして使うことに。

合計3000円ぐらい。これで2万のジーンズが復活するとすれば安いもんだし、失敗してもそれもいい経験なのでいずれにしても損することはない。最強である。

1. 染料作り

本体を洗濯にかけている間に染料を作る。ちなみに洗濯時に柔軟剤とかは入れてはいけない。中性洗剤を使った方がいいのを完全に忘れてジェルボールで洗ってしまったが、結論からいえばそれでも染まった。

とりあえず染液を2つに分けて作らなければならないのだが、家の目の前のキャンドゥで適当に買ってきた洗濯桶1つしかないのでこれでなんとかする。

ダイロンマルチの使い方として染液500mlと塩水6L(ともに80度ぐらい)が必要になる。最終的にこのタブに突っ込むことを考えると、表示を見る限り内容量13Lかつ耐熱110度なのでこれでいく(ポリプロピレンとは書いてあるので一般的には耐熱温度は100-140度ぐらいだと考えられるけど、言っても100均の製品なのでせいぜい90度ぐらいまでにしておいた方がいい)。

まずは染液から。面倒くさいので210mlの紙コップ2つで溶かす。人間は工夫する生き物である。

私はこういう粉が体内に入るのを非常に嫌っているのでこういう作業の時には必ずマスクをするが、それでもお湯に溶かすといい感じに嫌な薬品臭がしてきた。欲をいえば眼も守りたかった。

次にさっきの洗濯桶に適当に食塩をおよそ30g(と思しき目分量)突っ込む。塩をこんなに振りかけた経験は人生初なのでいい感じに楽しさと罪悪感がバランスをとって押し寄せてくる。お湯は2Lの鍋でとりあえず用意しておいた。2回目に沸く量と合わせて4Lで80度になってくれることを願って90度ぐらいまで加熱する。

なんかすごくいい色になっている。ような気がする。

冬も近づき室温ですぐに染料が冷めると嫌なので、ここからはお風呂場で、浴室暖房をかけた状態で作業していく。

2. 染める

染料(仮)が完成したのでジーンズを突っ込んでいく(下の写真はまだ2発目のお湯が入っていない状態)。

押し売りされたG-Star RAWのロゴが見えなくなったらうれしいとは思うものの、どうせその部分は染まらないので期待してはいけない。

なんかいい感じになっているような気がする。漆黒ってぐらいの真っ黒に染まってほしい。

火傷するとだるいので最初のうちは割り箸で全体的に浸していった。水面上に浮き上がっている部分を定期的に押しつぶしたり全体をかき混ぜたりしながら40分ほど待つ。たまに100円ショップのビニール手袋で揉み洗いしたが、普通に先端が破れたようで爪の間に染料が薄く入った(熱めのお湯で流すと落ちる)。

なんとなく悪くなさそうな感じにはなっているような気がする。

ある程度の時間が経ったら水ですすぐ。この染め方の仕組みとして温水で染み込んで冷水で定着するわけなので、すすぎは冷水で。その辺は髪染めの知見がかなり蓄積しているのでなんとかなると信じる。

適当に4回ぐらい水変えたらきれいな色になった。

3. カラーストップ

ここから色落ち防止のためにカラーストップをかける。こっちもダイロン。

こちらは40-60度で衣服全体が浸る程度の量とのことだったので、基本的には桶に熱めのお湯を溜めてから、沸騰した電気ケトルのお湯を混ぜる形で温度を調整した。お湯作ってカラーストップ混ぜてジーンズを浸すだけ。15分ぐらい放置。たまに揉む。

3. 脱水陰干し

とりあえず色が出なくなるまで揉んで、そこから軽く水だけ切ってこの状態。

悪くなさそうな感じがしますね。とはいえこのままだと乾くまでに永遠の時間を要するので、洗濯機で脱水1分だけかける。

うん、たぶん復活した。もう少し真っ黒になるのかと思ってたのでそこは残念だけど、あの汚い色落ちはなんとかなったようなので及第点には達しているはず。

陰干しは浴室乾燥を軽めにかけておく。明日の朝にあのみっともない色に戻っていたらまた報告します。

所感

思っていたよりだいぶ簡単だった。何より、MANIC PANICで自分の髪を染めるときの方が圧倒的に面倒くさくて、それと比べたら桁違いに簡単。なぜかというと、今回のダイロンマルチは仮に風呂場で染液が多少跳ねたとしても、仕組みとして熱湯をかければ大体はきれいに落ちる。マニパニだとこうはいかない。1週間は色が残るし洗剤でも落ちない。なんで髪より服に使う染料の方が落ちやすいの???って感じだけど、それはまあ色々あるんだろう。

あと気になるのは、この発色がどれぐらい持続するかですね。カラーストップやってるけど、僕は服の扱い方が荒いのであんま意味なさそう。

これがうまくいくようなら、今後は温度管理の難しい風呂じゃなくて服を煮るための専用鍋を買うことにします。