雑記

Day One.

今日10年ぶりに入院した。

あんまり入院中の居心地が良くなってしまうと退院したくなくなりそうなので、病室は相部屋にした。

そこには俺以外に3人のじーさんがいて、そのうちの一人は、お医者さんはいつも言うことがコロコロ変わるとか、娘が時間のあるときにしか看病してくれないとか不満をこぼしながらも、明後日退院だと話していて、少し嬉しそうな表情をしていた。

相部屋の病室では他人のいびきで眠れなくなるのを防ぐために誰よりも先に寝るようにしている。気付いたら消灯していて、そして人の悶える声で目覚めた。

ほんの数時間前にそのじーさんのどうでもいい文句を話半分で聞いていた看護師さんが、今は「ごめんね、ごめんね…」と言いながらじーさんの看病をしている。心拍の音が室内に空虚に響いている。俺の心拍より少しだけ早いなと思った。じーさんが咳をするたびにそれに呼応してタイミングが乱れる。

現実を突きつけられている。

別に怖いわけじゃない。こうも長く心臓病をやっていると今さらそういう恐怖感みたいなのはないし、そもそも前の入院では俺自身が心房細動と発作でその状態だった。

ただ、心血系の病院は本当に人が亡くなる。じーさんは集中治療室に移されたからその先どうなったのかは知らないけど。

前回の入院の時にもそういう場面には遭遇した。霊の行列かと思うほど真っ黒い人影が音もなく連なって、深夜の病院の中、亡くなった方を静かに連れ出していった。