雑記

かわいいおじさん

かわいいおじさん

かわいいが嬉しくなるのはおっさんの始まりだと思う。

どっからどう見ても奥さんに着せられてる感しかないピンクのワイシャツを着て地下鉄に乗り込むおじさんは一体どういう感情なのだろう。それで若手の女子社員に可愛いですねとか言われて喜ぶのだろうか、とか思いながらぼーっと10分に1本しか来ない名城線に乗っていた。

ただ、男性が褒められる場合の可愛さというのは往々にして中性的な方向に向いている。「おっさん臭さを消してほしい」という願望をひた隠しにしながら、「かわいい」という褒め言葉をうまく使って他人をコントロールしているだけなのではないかという気もする。つまるところ、おっさんが本当に求められているのはかわいさではなく、おっさんではなくなることなのではないか。

とはいえ、宇多田ヒカルは『2時間だけのバカンス』のなかで(おそらく子どもが生まれてからの人生を)「物語の脇役になってだいぶ月日が経つ」と表現した。First Loveの頃からの変化というか、『In My Room』でフェイクネイル、カラーコンタクト、エクステンション髪に飾ってフェイクファーを身に纏って本当の愛を探していた頃とは同じ人とは思えないほどの差だ。

そう考えると、おっさんともなれば自分の格好などもはやどうでもいい、まあそういうものなのかもしれない。家族のために頑張っている人々と、一人で適当に生きている俺の埋められない差なのかもしれない。