ホームレス先生

公園で暮らしている人だと思われてもおかしくないぐらい色褪せた黒スキニー(しかもちょっと穴あいてる)を履いて、今日も朝からどこかしらのカフェで誰の何の役に立つのかもよくわからないコードをカタカタと書き綴っている。深夜営業が行われない以上、なるべく人と違う時間に動こうと思うと平日開店直後のカフェに行くしかない。

ある種のリベラル的な”持たざる者”として振る舞ってきた人間がいつの間にか権威を得てしまうことで、自分の権威に無自覚なまま昔と同じ振る舞いをする。そもそも今の時代に大学教員が権威(笑)を持っているかどうかは全くもって疑わしいが、まあそういう振る舞いが危険であることに疑いはない。

しかし、権威がほしくて自分の道を選ぶというのは一体どういう気持ちなんだろう。俺は権威のためにこの仕事をしているわけではないし、あるいは誰かに何かを教示したいわけでもない。だからこそ危険なのかもしれないが。

別にお金にも権力にも興味はなくて、音楽にせよ研究にせよ好きなことを好きなようにやっていたら(そしてそれはこれからも特に変わらないはずなのに)いつの間にか先生とか呼ばれこんなことになっていた。そういうのが一番怖い。

先生って呼ぶのをやめてほしい。いつまで経っても慣れない。