低温調理 vs. 圧力調理

ステーキの低温調理をやってみたくて準備していたのだが、研究者として効果検証にはやはり対照実験が必要(低温調理が美味しいのかその肉自体が美味しいのかという問題)なのでステーキ肉を2分割して、片方は低温調理、もう片方は通常の強火ステーキにして食べ比べようかと思っていた。

思っていたのだが、よく考えたらSirocaのSD-P130でもステーキ肉の調理(ローストビーフ)ができることに気づき、対照実験は中断され、片方は低温調理、もう片方は圧力調理での神々の戦いとなった。

100g 248円のアメリカ産牛肩ロースステーキ用318gという微妙すぎる量を2分割した。足りるのだろうか。

(それなりに料理してんのにいまだに100均の包丁を5年も使い続けてるのもうダメかもしれん)

先に塩こしょうとニンニクをすりこんでおくこと。

低温調理

ジップロックは耐熱温度を確認しておくこと。今回使ったのは100円ショップのものだが、パッケージの表記を見る限り耐冷-70度〜耐熱100度のポリエチレン製である。耐熱 100度ということは直火で焼いたりすると肉の中の油が高温になるから当然溶けるあるいは燃える可能性もあって危ないんだけど、60度ぐらいまでしか加熱しないので耐熱安全温度で考えてもよっぽど大丈夫だと判断した。

勝間和代さんでいうところの伝導熱と対流熱と輻射熱の違いといったところで、詰まるところ間接的かつゆっくりと熱を伝えるのが一番美味しいんだろうということで、約60度のお湯にぴったり1時間漬けた。温度管理が大変だったが。

うん、なんかすごく瑞々しい。

最初焼けてないのかと思って不安になったんだけど、いわゆる「赤い汁」も出ていたのでまあよしとする。表面だけ強火でガッと焼いて断面をチェック。

満点じゃん。

断面の色合いもいい感じ。

味も柔らかさも完璧だった。適当に揉み込んだ塩味もちょうどいい。赤ワインと合わせたら完全に優勝です。

圧力調理

こちらは今回も使う電気圧力鍋のメーカー元であるSirocaからオフィシャルの動画が出ている。

圧力調理自体は3分だけど、加圧と降圧の時間を含めると大体30分ぐらいになるんじゃないかな。このレシピ通りにやったはずだけど、結果ちょっとやりすぎだった。もちろん肉が薄いのもあるんだけど、中まで完全に熱が通り切っていた。

こちらも肉をあげて両面を強火で焼く。

見た瞬間に自信を持ってカチカチだと思える雰囲気。そしてみずみずしさのない乾き切った感じ。本当に液体の中で圧力調理されたのか…?

やはり中まで火は通り切ってしまっており赤身感はない。

とはいえ食べてみると意外と悪くなかった。もうちょっと脂が落ちてくれるとありがたいかなーとも思う。

結果

俺のやり方とか肉の選び方とかもあるんだろうけど、結果としては低温調理の方が断然美味しかった。実は作った順でいうと時短の圧力調理の方が当然先に出来上がっているので、「先に食べた方が旨い」という順序効果も(出てはいるだろうが)それを遥かに上回る旨さだった。

結論:低温調理ローストビーフは旨い。圧力鍋は便利。